生徒と共に進化する!ブドウ農家の先生が教える晟州塾を取材!!

甲州市のとある学習塾にて、私たち取材班はある意味”異様”な光景を目の当たりにした。講義という講義はなく、黒板はおろかホワイトボードすらもない。
しかし、生徒は入室するなり自身の課題を黙々と取り組み、まるで会社員のように今日やった課題を紙にまとめて提出する。そして自身の課題を終えた生徒は机の周りを掃除してから退室していった。
塾長さんが語ってくれたのは「自ら考え、自ら行動する」ことの大切さ。”塾に行かされる”なんて言葉を正面から否定する山梨県甲州市「晟州塾」に取材させていただいた。

1.自立型学習とは?

晟州塾の扉を開くと、まず驚かされるのはその「静けさ」だ。一般的な塾のような一方的な講義の声は聞こえてこない。生徒たちは自ら選んだ課題に向き合い、黙々とペンを動かしている。これこそが松田塾長の提唱する「自立型学習」の現場である。受動的な学びを排し、主体的であることに重きを置くその指導法は、どのような想いで設計されたのだろうか。
取材班:自立型学習というのは一般的な講義形式と何が異なり、どんな利点があるのでしょうか?
松田塾長:一番の利点は、やはり受動的・受け身にならないことだと考えています 。主体的に自分の頭で考えて、自分で解く時間がとにかく増える。その結果として、知識が自然と頭に入りやすい形になります。
取材班:私も、教師の話を聞かず教科書で確認した方が早いと感じることがありますが、それに近い感覚でしょうか?
松田塾長:というよりも、とにかく自分で考えて、自分で判断するという部分が大切だと考えています 。最初は1、2週間ほど様子を見ながら、プランニングや目標設定、動機付けを伝えていく。まずはしっかりと伴走するようなイメージ 。あとは個人の能力やモチベーションに応じて、その子に合った形に変えていくことになります 。

2.宿題なしの理由

多くの塾では、成績を上げるために宿題を課すのが一般的だ。しかし、晟州塾には宿題が存在しない 。それは決して「楽をさせる」ためではなく、むしろ生徒一人ひとりの「自立」を促すための、松田塾長の強い信念に基づいている 。
取材班:宿題、本当に出さないんですか?
松田塾長:学校でもたくさん出ていますし、やはり「やらされている」時点で伸びないという考えです 。宿題を出すと、どうしても適当になんとなくやるだけになってしまう。どこかのタイミングで本人が切り替わって、自分で学習スタイルを確立する時が必ず来ますから 。
取材班:生徒に試行錯誤をさせる、ということですね 。
松田塾長:指導というよりは、コーチングに近いイメージです 。もちろんティーチングとのハイブリッドのような形にはなりますが 。基本的なところが抜けている場合はしっかり教えますが、あくまで「自ら解く力」を育てることを大切にしています

3.塾内の雰囲気

地元の中学生を中心に、多くの生徒が通う晟州塾。同じ学校の友人と顔を合わせることも多いが、一歩教室に入れば、そこには心地よい静寂と集中が広がっている 。以前は生徒同士で教え合う場面も作っていたというが、現在は一人ひとりの「自立」の力が育ち、各々が自分の課題に没頭するスタイルが定着している。
取材班:塾生同士のつながりや交流はどの程度あるのでしょうか?
松田塾長:地元の子が結構多いので、同じ学年だとだいたい知り合いという状態ですね 。仲の良い者同士で、同じ時間帯に来るということもあります 。以前は生徒同士で教え合わせることもありましたが、今は全員に自らやっていく力がついてきているので、基本的にはそれぞれが集中して学習を進めていく形になります 。
取材班:小学生などは、どうしても答えを写すだけの「作業」になりがちではありませんか?
松田塾長:答えを写す作業は時間の無駄なので、そこは絶対にやめさせるようにしています。少し強めに伝えることもありますね 。当たり前のことですが、なかなか一人ではできない習慣を修正していくイメージです 。また、最近は帰る前に自分で掃除をすることも始めています 。1時間でも集中して、自分で決めた時間を価値あるものにする。そういった一つひとつの積み重ねが、今の塾の雰囲気を作っているのだと考えています 。