地元と海外が交差するカフェ「OZO coffee & wine stand」に取材してみた

まず最初に選んだのはキャロットケーキ。次にソイミルクを使ったフラットホワイト。
かわいらしい聞こえに、日常と非日常を同時に抱く。店の中に広がるのは青と白を基調にしたダイニングキッチンとカウンター、各国のステッカーが貼られたワインセラーにカナダドル、手書きのメモのようなメニュー表。
ここは山梨県甲州市塩山、住宅地に身を潜めた異邦のカフェ「OZO coffee & wine stand」に訪れた。

1.楽しむフラットホワイト、楽しいラテアート

フラットホワイトとは、忌憚なく言うなればオーストラリア式のカフェラテであり、一般的なカフェラテはコーヒー:ミルクが1:4なのに対しフラットホワイトは1:3となっている。そのフラットホワイトにソイミルクが使われているのだが、ソイミルクは一般的に泡立ちが難しく、繊細な表現がしにくいとされる。しかし、運ばれてきたカップには驚くほど緻密で美しいラテアートが施されていた。
キャロットケーキを頬張れば、シナモンやスパイスの香りが心地よく鼻を抜ける。そこにフラットホワイトの濃厚なコクと甘みが加わると、一口、また一口と手が止まらなくなる。 実はフラットホワイトに使われているソイミルク、オーストラリアのカフェ専用豆乳「BONSOY(ボンソイ)」が使用されている。コーヒーと混ぜた時に最高の味になるよう設計されており、その滑らかさは一度飲んだら忘れられない。
取材班: ラテアート、植物性ミルクなのに信じられないくらい綺麗ですね。
店主: ありがとうございます。実は私、ラテアートで日本2位を獲ったことがあるんです。植物性のミルクは描くのに限界があるのですが、アレルギーや宗教的な理由、ヴィーガンの方など、牛乳が飲めない方にも「見て楽しい、飲んで美味しい」体験をしてほしくて頑張って描いています。牛乳は他のお店で飲めるから、あえてここでやらなくてもいいかなと思って使っていないんです。
取材班: お客さんの選択肢を増やすために技術を磨かれているのですね。海外のお客さんも多いのですか?
店主: そうですね。うちは半分近くが海外の方という日もあります。外国人の方はアレルギーなどをチェックする意識が高く、牛乳を飲まない方も多いですし、イスラム教など宗教的な理由で飲まない方もいらっしゃいます。そういった方々にも安心して楽しんでもらえるようにしています。

2.コーヒー豆自体の果実感、ボタニカルな浅煎り一杯

メニューを見ると、驚くことに「深煎り」がない。店主によれば、コーヒーは本来フルーツであり、その農園ごとの果実味を楽しむための飲み物なのだという。また、お店に通う常連さんが飽きないよう、月一で豆の種類を変え、様々な農園や焼き手の味を楽しめるようにしている。
取材班: このペルーのコーヒー、最初に来る酸味がすごく爽やかで、後味がまるでお茶のようです。
店主: そう、ボタニカルな印象ですよね。コーヒーの苦味も、焦げた苦味じゃなくてレモンピールのような果実の苦味なんです。コーヒーって本来フルーツの「種」なので、それを楽しむ飲み物なんですよ。昔は船で運ぶのに数ヶ月かかったため深く焼いていましたが、今は1日で鮮度の高いものが届く時代です。だから、豆を黒く焼くメリットが今の時代はないと考えて、浅煎りだけを取り扱っています。
取材班: コーヒーが苦手な人でも、これなら飲めるという人が多そうですね。
店主: ええ、フルーツの味がすごくするので、衝撃を受けると思います。「コーヒーってフルーツだ」と実感してもらえる一杯だと思います。

3. 驚きの新体験!コーヒーの実のお茶「カスカラ」とナチュラルへのこだわり
コーヒーの「種」を楽しむだけでなく、OZOではコーヒーの「実」の部分をお茶として楽しむ「カスカラ」も提供している。さらにワインセラーには、防腐剤を極力使っていないナチュラルワインが並び、素材本来の味を大切にする姿勢が貫かれている。
取材班: コーヒーの「実」のお茶というのは初めて聞きました。
店主: 「カスカラ」と言って、山梨だとほぼ飲めないと思います。私がグアテマラの農園と直接取引して仕入れているオーガニックのものです。オーストラリアにいた時に飲む文化を知り、何十種類も試した中でここが一番美味しかったんです。カフェインもないので、お茶感覚でごくごく飲めますよ。
取材班: ワインもナチュラルワインにこだわっていると伺いました。
店主: はい、基本的には防腐剤が入っていない、あるいは少ないナチュラルワインを置いています。入っているのが悪というわけではないですが、なるべく素材を楽しんでほしいという想いからです。


